どのようなものですか?
エリオット波動というのは、20世紀初頭のテクニカル・アナリストであるR・エリオットが提唱したトレンドのパターンをいいます。
基本的には、相場の上昇トレンドが、1−2−3−4−5−a−b−cという波動サイクルによって構成されるというものです。
このうち、「1」「5」「b」は推進波、「2」「4」「a」「c」は調整波と呼ばれます。
わかりやすくいうと、第1波では、下落から上昇へ転換する段階で投資家が疑心暗鬼のなか上昇していき、第3波までくると投資家は上昇を確信し、第5波までくると高値警戒感から利食いが出やすくなるという感じです。
実際の相場がこのような波動のパターンに従って動いているかについては議論のあるところですが、ここで重要なのは、投資経験の長い投資家たちがエリオット波動のイメージを持っていて、そのイメージによって現実の投資行動がとられる可能性があるということです。
例えば、ある安値から第1波と思われる動きが観測されれば、この後に第3波と第5波が出てくるかもしれないと相場参加者が考えるようになります。
そして、思惑通りに第3波と第5波が観測されれば、この後調整に入ると思い込むのです。
もちろん、実際にそのように動くかどうかはわかりませんが、そのような相場参加者が抱くと思われるイメージに乗るという判断も1つの投資戦略といえます。
結果として、イメージどおりに相場が動けば利益が得られますし、逆に思惑と反対方向に相場が動いたときには、すぐに損切ればいいのです。
このように、投資家というのは、合理的に動いているようで、実は何らかの暗黙の了解によって行動している場合も多いものです。
特に相場の世界では、このような暗黙の了解に従って非常に多くの投資家が同一方向へ動くようになるので、エリオット波動のような行動原理を知っておくことは大変有益です。
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