インフレが金価格を押し上げる?
バブルがはじけた後の緩和策が次のバブルを生み出すというのが、これまでの市場経済のパターンです。
しかも、後になればなるほどバブルは大きくなる傾向にあり、例えば、米国でITバブルがはじけた後は金利を引き下げただけで済んだけれど、サブプライムローン問題を発端とする経済危機が起きた際には利下げだけでは間に合わず、紙幣を刷りまくっているといった状況になっています。
ドルは金本位制が終わってからは「ペーパーマネー」といわれていますが、現在のような紙幣の大増刷はインフレ懸念の意識を醸成するので、ますますインフレ傾向が強まり、金価格も押し上げられるということになります。
今後の金価格に重要な視点は?
今後の金価格の動向を占ううえでは、特に投資需要が注目ポイントになります。
というのは、かつては「金(ゴールド)」の需要は宝飾品需要が80%で、投資需要は10%程度だったのですが、2009年1〜3月期にはこれが逆転してしまったからです。
金融市場からの関心がそこまで高まっている背景にあるのは、やはりインフレを懸念する投資家が増えていることだと思われます。
ここ最近では、欧米の年金基金やヘッジファンドなどの機関投資家が金ETFを買い始めており、2009年に入ってからはヘッジファンドの買いが特に顕著になっています。
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