外貨投資の歩き方



金価格は有事の際に上がる?

世界的な有事の際に値上がりする金

この30年程を振り返ってみても、次のような金価格は世界的な有事の際に値上がりしています。

ソ連のアフガニスタン侵攻時
⇒ 1979年初めのニューヨーク市場の金価格は、1トロイオンス200ドル台前半でしたが、同年12月にソ連がアフガニスタンに侵攻すると、翌年1月21日に895ドルまで急騰しました。

ブラックマンデー時
⇒ 1987年のブラックマンデーの際には、ニューヨークダウが508ドル(22.6%)という過去最大の暴落を記録しましたが、金価格はその日だけで19.7ドル(4.1%)上昇しました。

米国同時多発テロ事件時
⇒ このときは取引が4日間停止されたのですが、金価格は再開後に跳ね上がりました。

サブプライム問題でも金価格は上昇した?

最近ですと、サブプライムローン問題の際にも金価格は上昇していますが、これは、金(ゴールド)が金融商品として見直されたからともいえます。

実際、次のような金価格と金融・経済の主たる出来事や為替相場・株価などとの関係をみますとその辺りがよくわかります。

まず、サブプライム問題が発覚した2007年7月から、ベアー・スターンズの経営が破綻した2008年3月17日までをみますと、JPモルガン・チェースが同社の買収を発表した翌日の3月17日の金価格は、史上最高値の1033.9ドルをつけています。

なお、それまでの間、米国は段階的に利下げしていたため、ドル安ユーロ高が進行していましたから、それも金価格の上昇を後押ししていたと考えられます。

そして、サブプライムローン問題がいったん沈静化した3月18日以降に、金価格は一転値下がりを始めます。

さらに、同年7月に欧州景気の変調が発覚したことを受けて、ドル高ユーロ安に火がついたことから、金価格は下げ足を速めていきます。

その後は、2008年9月のリーマン・ブラザーズの破綻ショックにより、金価格は一時的に高騰しますが、しばらくしてドル高ユーロ安が進むとじわじわと下げることとなります。2009年に入ると景気後退が顕著になり、株価の下落を招きました。

しかしながら、2009年春以降は、景気回復期待から世界中で株価が上昇に向かい、それと同時に金価格は値下がりしていきました。


サブプライムローン問題と日本の株価大暴落との関係は?
金価格上昇相場の背景は?
金価格の上昇と「有事の金」
金価格と株価との関係は?
米国の経済指標の見方は?

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