貴金属バスケットETFならリスクが分散できるの?
金ETFや銀ETFなど、特定の貴金属に投資するETFというのは、その投資対象となる貴金属の相場が下落すれば、連動して値を下げます。
一方、複数の貴金属に投資していれば、リスクの分散を図ることが可能です。これは、金(ゴールド)の価格が下落したとしても、他方で銀やプラチナの価格が上昇していれば、金ETFに投資するよりも、損失は少なくてすむからです。
もしかしたら利益のほうが上回ることもあるかもしれません。
また、プラチナやパラジウムなど自動車の排ガス触媒としての需要が多い貴金属というのは、もっと価格の安い、代わりの触媒が発明された場合とか、あるいは有望な触媒が見つかったというニュースが流れただけでも大暴落してしまいます。
これに連動して、必然的にプラチナETFやパラジウムETFの基準価額も大幅に下落するわけですが、これがもし貴金属バスケットETFでしたら、金(ゴールド)や銀に投資している部分が下支えし、下落幅を小さくする可能性があります。
貴金属バスケットETFのデメリットは?
貴金属バスケットETFであればリスク分散が図れるとはいっても、いいことばかりではありません。
例えば、南アフリカの鉱山でストライキが起こり、プラチナやパラジウムの生産がストップしたとします。これは供給が著しく減少するということですから、プラチナやパラジウムの価格は高騰します。
連動してプラチナETFやパラジウムETFの基準価額も大幅に上昇しますが、貴金属バスケットETFの場合には、金(ゴールド)や銀に投資している部分が足を引っ張ることにより、上昇幅を小さくするかもしれません。
ただし、貴金属バスケットETFの場合には、それぞれの貴金属の値動きが平準化されますから、個別の商品ETFに比べれば、極端な乱高下というものはなさそうです。
要するに、リスクとリターンはコインの表と裏のようなものといえますから、リスクが減れば、リターンも少なくということになるのです。
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